大阪大学大学院工学研究科と新日鉄化学,岩谷産業は共同で,nmレベルのニッケル(Ni)微粒子「i-nanoS」の独自の製法を確立し,ユーザーへのサンプル供給を始める。粒子サイズは20nmと60nmの2種類を用意している。製造は新日鉄化学,販売は岩谷産業が担当する。用途として電子部品の電極などを想定している。

 新製法は加熱にマイクロ波を活用するもの。マイクロ波による加熱は外部からの加熱とは異なり,被加熱物の分子を短時間で均一に内部から加熱できる。この技術を適用すると,粒子サイズが100nm以下で大きさがそろったNi微粒子を製造できるという。今後,ユーザーによるサンプル評価の結果を踏まえ,生産能力増強など本格的な事業化を進めていく方針だ。