「NHKオンデマンド」の2009年度第2四半期の運営状況は,パソコン向けサービスの会員数が前期比約6万3000件増の16万4000件,テレビ向けサービスを含む事業全体の累積収入は1億円だった。NHKの2009年度第2四半期業務報告で明らかにした。業務報告ではパソコン向けの会員数は,月平均2万件以上の新規加入があり「順調な増加」と評価する一方で,収入は2009年度の事業予算23億円に対する進捗率が6.7%にとどまり,当初の見込みに比べ低迷していると分析する。

前期比でパソコン会員数は増加傾向,売上は減少

 2009年度第1四半期の結果と比較すると,パソコン向け会員数の純増数が,第1四半期は約5万8000件だったのに比べて,増加傾向にあることが分かる。一方,事業収入は第1四半期で約0.7億円あったのに第2四半期は累積で約1億円と単期では約0.3億円しか増加しておらず,売り上げペースが第1四半期の半分以下に落ちている。NHKは収入ペースが低下した要因として,利用者一人当たりのコンテンツ購入率が落ちていることを原因に挙げている。

今後の対策,料金見直しや冬季五輪

 NHKは今後,利用者のコンテンツ購入率を向上させるための対策として,料金の見直しや商品ラインアップの充実,機能追加のためのシステム改修を実施する計画である。また使い勝手を改善するために,パソコン向けサービスに検索機能を強化した新しい操作画面を11月に導入する。同様にアクトビラ向けのサービスでもユーザー・インタフェースの改善を検討する。商品ラインアップの強化策としては,スポーツ中継の配信に力を入れる方針である。天皇杯サッカーやNHK杯フィギュアに加えて,2010年2月のバンクーバー冬期五輪の配信実現に向けて関係部局との調整を続けるという。