三菱樹脂は,二軸延伸ガスバリア・ポリアミド(PA)フィルム「スーパーニール」シリーズで酸素バリア性能を向上させた「EHグレード」などを開発し,テストサンプル品による包装評価テストなどを経て,2009年11月から本格販売を開始する。

 スーパーニールは,PA系樹脂を共押し出しで生成するもので,ガスバリア性/強度/透明度や印刷美麗性を備えていることが特徴。レトルト食品,和洋菓子,スープやたれの包装など,食品包装を中心に需要がある。

 ガスバリア性では,透明蒸着タイプのフィルムが優位であるが,同フィルムの場合,耐ピンホール性が低く,包装時/輸送時のフィルムの屈曲によるバリア性の低下があるので,同社によれば総合的には共押し出しタイプが有利という。

 スーパーイールのEHグレードは2種類。いずれもバリア材にエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)を採用し,配合技術/延伸配向技術/多層化技術を駆使して,従来品より酸素バリア性などを向上させた。同グレードのフィルムは,優れたガスバリア性と耐ピンホール性および加工適性を兼ね備えている。2種の酸素バリア特性は,それぞれ2mL/(m2・24h・MPa),7mL/(m2・24h・MPa)である。