NECは花王と協力して,脱石油材料の活用とCO2排出抑制を目的として難燃性バイオプラスチック「Nucycle」を開発した。2010年には,同プラスチックを使ったビジネス向けパソコンを商品化する予定。植物由来の樹脂を75%以上配合しながら,ハロゲン系難燃剤を使わずに難燃性を実現した。

 Nucycleは,NECが2004年に開発した土壌成分の水酸化アルミニウム系吸熱剤と,新たに開発した難燃助剤を併用したポリ乳酸の難燃化技術を適用したもの。電子機器の火災防止のための基準(UL規格V-0)を,ハロゲンなどの環境安全性に懸念のある物質を使用せずに達成している。ポリ乳酸の結晶促進剤を開発し,成形性の時間を短縮すると共に,添加剤の配合・分散技術により水酸化アルミニウムや難燃助剤などの添加剤をポリ乳酸中で均一に分散させてポリ乳酸との界面の密着性を強化する技術を開発した。これにより,難燃特性の向上と添加量の低減を両立している。

 NECは,難燃バイオプラスチックを利用したパソコンを,東京国際フォーラム(東京)で開催の「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2009」(2009年11月5~6日)に参考出展する。