表1●「自動車・輸送機器」の特許資産規模
表1●「自動車・輸送機器」の特許資産規模
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表2●「電気機器」の特許資産規模
表2●「電気機器」の特許資産規模
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表3●「精密機器」の特許資産規模
表3●「精密機器」の特許資産規模
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表4●「化学」の特許資産規模
表4●「化学」の特許資産規模
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表5●「医薬」の特許資産規模
表5●「医薬」の特許資産規模
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 特許分析ツールなどの開発・販売を手掛けるパテント・リザルト(本社東京)は2009年10月28日,「自動車・輸送機器」「電気機器」「精密機器」「化学」「医薬」の5業種における企業の「業種別特許資産の規模ランキング」を発表した。特許資産規模で見ると,保有特許件数の多い企業が,どの業種においても上位にランクインしたが,1件当たりの注目度ポイントの平均で見てみると,業種によってさまざまな傾向が見られた。例えば,自動車・輸送機器の特許資産規模ランキングでは,1位がトヨタ自動車(保有特許数1万6006件),2位デンソー(同1万4159件),3位ホンダ(同1万4650件)だった。しかし,注目度ポイント平均で見ると,保有特許数1556件で10位のアイシン・エィ・ダブリュ(25.19ポイント)が,1位のトヨタ自動車(23.00ポイント)を上回っている。

 パテント・リザルトによると,注目度ポイントの平均でアイシン・エィ・ダブリュが高スコアをたたき出したのは,ハイブリッド車などに利用される車両の駆動装置に関する技術が高得点を取得したためだという。

 化学においても,資産規模ランキングでは,保有特許数の多い順で,富士フイルム(保有特許数1万1650件)が1位,花王(同6427件)が2位,三菱化学(4723件)が3位に入った。しかし,注目度ポイント平均では,6位の日東電工が31.27ポイントを獲得して上位10社中トップに躍り出ている。紙おむつ用の接着テープに関する技術や,溶剤除去用のクリーニングシートに関する技術などで高得点を取ったためだという。

 一方で,電気機器では,資産規模とポイント平均の上位がほとんど同じだった。資産規模ランキングは,1位がパナソニック(保有特許数3万9105件),2位が東芝(同2万7401件),3位が日立製作所(同2万1729件)。注目度ポイント平均では,1位がパナソニック(25.24ポイント),2位がシャープ(21.77ポイント),3位が日立製作所(20.24ポイント)だった。そのほかの結果は表の通り。

 なお,同ランキングはパテント・リザルトが,5業種における企業の保有特許を対象に「量」と「質」の両面から独自に分析して算出したもの。質の分析では,特許庁審査官による審査結果や競合他社によるけん制行為など,各特許に対して実施されたアクションを数値(スコア)化したものを用いている。このスコアが注目度ポイント。企業が保有する特許のすべてにこのスコアを付け,合計して特許資産規模を出した。