ドイツDeutsche Telekomの米国法人T-Mobile USAは,多機能無線デバイス「Sidekick」のデータが消えたトラブルについて,Sidekickの開発および製造を手がける米Microsoft傘下のDangerとともに,サーバーの不具合が原因であることを認める声明を米国時間2009年10月10日に発表した。

 Sidekick向けのサービスを提供しているDangerのサーバーに不具合が発生し,そのため,ユーザーが保存していた連絡先情報,カレンダの内容,ToDoリスト,画像などのデータがほとんど消失した。T-Mobile USAによれば,現在同社とDangerは,データを復旧するなんらかの方法を探しているが,見込みはきわめて低いという。なお,影響を受けたユーザーの数などについては明らかにしていない。

 米メディア各社(InfoWorldNew York TimesCNET News.comなど)の報道によると,Sidekickはこれまで約100万台を販売しており,Sidekick向けサービスはクラウド・コンピューティングを利用してユーザーのデータを保存していた。約1週間前より,同サービスに障害が発生し,いったんSidekickの電源を落としたユーザーは,自身のデータにいっさいアクセスできなくなった。T-Mobile USAは,影響を受けたユーザーに対してサービス料を1カ月間無料にする。

 またT-Mobile USAは,Sidekickのバッテリを外したり,バッテリを使い切ったりしないようユーザーに呼びかけている。バックアップをとらずに電源をリセットすると,現在端末に残っているデータもすべて失うことになる。

[発表資料へ]