パナソニックが発売したLED電球。写真は一般電球タイプ
パナソニックが発売したLED電球。写真は一般電球タイプ
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8種類の商品ラインアップ。左から一般電球タイプで60W相当の調光器対応品,同非対応品,40W相当品,小型電球タイプ。上段は昼光色,下段は電球色
8種類の商品ラインアップ。左から一般電球タイプで60W相当の調光器対応品,同非対応品,40W相当品,小型電球タイプ。上段は昼光色,下段は電球色
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放熱性を高めるための工夫
放熱性を高めるための工夫
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 パナソニックは,口金E26に取り付ける一般電球タイプとE17に取り付ける小型電球タイプのLED電球,全8機種を発表した。2009年10月21日より発売の予定。一般電球タイプは,直下照度が白熱電球40W相当と60W相当の機種があり,60W相当品には調光器非対応品/対応品の2種類をラインアップした。消費電力は40W相当品が4W,調光器非対応の60W相当品が6.9W,調光器対応品が7.6Wとなっている。

 小型電球タイプの直下照度は白熱電球40W相当で,消費電力は5.5W。調光器対応品のみとなっている。小型電球タイプは長さ72mm,最大外径40mmとミニクリプトン電球(長さ67mm,外形35mm)より少し大きい程度。ミニクリプトン電球の代替として使えるLED電球の発売は業界初だという。いずれの機種も電球色(色温度2800K)と昼光色(同6700K)の二つの光色を用意する。価格はオープンだが,タイプによらず調光器非対応品が4000円前後,調光器対応品が5000円前後を想定している。

フィン無しで高放熱と軽量化を両立


 一般電球タイプの総合効率は,昼光色の60W相当品で82.6lm/W,同40W相当品で85lm/Wと「業界最高の省エネルギー性能」(同社)。発光効率を高めるため放熱構造に工夫を凝らしたとしている。

 具体的には,LEDパッケージと筐体との熱抵抗を抑えるためパッケージを載せた基板とAl筐体を密着させたのに加え,筐体表面にアルマイト処理を施して放熱性を高めた。アルマイト処理によって放射率が4~5倍程度向上したという。

 他社の競合製品の筐体は,放熱性を高めるためフィンを設けているものが多いが,パナソニックのLED電球はフラットな表面となっている。「照明器具の中に入れると自然対流による空冷効果があまり望めないため,フィンを付けるよりアルマイト処理を選んだ」(同社説明員)。ほこりなども溜まりにくいとしている。

 フィンがない構造は軽量化にも寄与している。筐体の円筒部はプレス加工で形成しており厚さは0.4mmほどと薄く,質量は一般電球タイプで100g,小型電球タイプで50gである。一般電球タイプでは,競合製品の質量が140g前後なのに比べて3割程度軽い。LEDチップは豊田合成製で,マルチ・チップの1パッケージ構成となっている。チップ数などについては明らかにしなかった。2009年度に40万個の販売を目標としている。

■変更履歴
記事初出時に,色温度の単位が「℃」となっておりましたが,正しくは「K」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。