JFEエンジニアリングは,地熱発電分野でのビジネス拡大のため「地熱発電事業推進室」を2009年9月1日付けで設置した。同社は日本国内で稼働している地熱発電所全18カ所中9カ所,海外ではインドネシア,ケニアで実績を有している。

 同社は,1960年代の日本初の地熱発電所建設から地熱発電にかかわり,蒸気・還元水パイプラインや気液分離装置といった蒸気生産設備を中心に複数の事業に参画してきた。今回,専門の組織を設置することで,実績のある蒸気生産設備分野での経験を生かし地熱発電所の需要拡大に対応する体制を整えたとしている。

 地熱は,水力などと同様の再生可能エネルギの一つで,火山国である日本は,世界第3位の豊富な地熱資源を持ち,1970年代のオイルショック期に,その有効利用を図ってきたが,最近10年間は地熱発電所の新設がない。そのため,発電能力は世界第6位,国内の電力供給量に占める割合はわずか0.3%に低下している。地熱発電は,太陽光や風力といった他の再生可能エネルギとは異なって天候に左右されないため,一年を通じて安定利用が可能だ。加えてCO2排出量も他の方式よりも少ないので,最近,国内外で新たな地熱発電所建設の構想が出てきているという。