三井造船の提携会社であるアイ・エス・ビー(ISB,本社千葉県富津市)は,日本政府の無償資金協力(ODA)による「離島間連絡船建造計画」において,トンガ王国運輸省から総トン数約1500tの貨客船1隻を受注した。これにより,同国の離島のライフラインが安定化し,離島と都市部間の物資と人の移動が増して観光開発や国民の生活改善に貢献すると期待される。

 現在,トンガ政府100%出資の船舶公社が離島間連絡船の定期運航サービスを提供しているが,既存船の船齢が27年に達し,老朽化が著しく,安定かつ安全な運行が困難な状況にある。同国においては,離島間の連絡船は,人々の移動手段や生活に必要な物資の供給に不可欠で,最も重要なライフラインの一つとなっている。

 今回受注した貨客船の主な仕様は,総トン数が約1500tで,全長が53m,幅が13.5m。最大搭載人数は422人(乗客400人,乗員22人)。なお,ISBは,2008年10月にサモア国よりODA案件として約1000tの貨客船を受注している。