市場調査会社の米DisplaySearch社は,2009年の太陽電池セルの世界生産能力が前年比56%増の17GWに達するとの予測を発表した(発表資料)。2008年1月から2009年7月までに増強された生産能力は11.4GWという。今後2013年まで太陽電池セルの世界生産能力は年平均49%で成長し,2013年には42GWまで拡大すると同社はみている。一方で,2009年の太陽電池モジュールの世界需要は前年比17%減と予測。需要が上向くのは2010年からとみる。

 地域別には,2006年には日本が世界最大の生産量を誇ったが,2009年の設備投資額では中国が世界の1/3を占める見込み。将来は中国が世界最大の太陽電池セル生産国に成長するとDisplaySearch社は予測する。

 材料別には,薄膜Si系の成長が著しい。2005年には世界の太陽電池セル生産能力の5%を薄膜Si系が占め,残り95%を結晶Si系が占めたが,2009年は薄膜Si系が20%以上まで比率を拡大する見込み。さらに,2013年には30%を占める見通しという。

 メーカー別には,2009年の太陽電池セル生産能力で首位に立つのは米First Solar, Inc.という。同社は1GWを超える生産能力を備え,ドイツQ-Cells SEや中国Suntech Power Holdings Co.を大きく引き離すとDisplaySearch社はみている。なお,2013年の生産能力シェア上位10社の顔ぶれは,この3社に加えて中国JA Solar Holdings Co., Ltd.,台湾Motech Industries Inc.,ノルウェーREC Solar, Inc.,米SunPower Corp.,中国Yingli Green Energy Holding Co., Ltd.,昭和シェル石油,シャープと予測した。