図1◎主要企業による2009年度のEV導入台数および今後の導入計画例(テクノアソシエーツ作成)
図1◎主要企業による2009年度のEV導入台数および今後の導入計画例(テクノアソシエーツ作成)
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図2◎クルマの「給油」が「充電」に変わり生じる社会変化の例(出典:テクノアソシエーツ「環境・電池の技術ロードマップと利用シーンの将来像」)
図2◎クルマの「給油」が「充電」に変わり生じる社会変化の例(出典:テクノアソシエーツ「環境・電池の技術ロードマップと利用シーンの将来像」)
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 「電気自動車(EV)元年」と言われる2009年、EV関連の話題には事欠かない。例えば、三菱自動車工業の「i-MiEV(アイミーブ)」や富士重工業の「スバル プラグインステラ」の納車がこの7月から始まった。EVを導入する各企業の発表から、i-MiEV1400台やプラグインステラ170台の内訳が次第に明らかになってきた(図1)。また、日産自動車は、銀座から移転した横浜市のグローバル本社・新社屋で、来年後半に発売するEV専用車「リーフ」をメディア向けに公開し大きな注目を集めた。

 当面は高コストなLiイオン2次電池による高い価格や充電インフラの整備状況から、企業や自治体など法人ユーザーによるEV導入が中心になると見られる。一方で、三菱自工が個人向け販売の予約受付を前倒しで7月末から開始するなど、環境意識の高まりを受け、EVの購買意欲を持つ個人ユーザーも徐々に増えてきているようだ。

 このように、社会全体でEVの導入や従来車の電動化が進み始めた。この変化は、レコード・プレーヤーなどアナログの電子機器がすべてデジタルに置き換えられてしまった変化に似ている。いま起こりつつあるクルマの電動化も、一朝一夕に起きるわけではないものの避けられない変化だ。そして、究極的にはEVに収れんすると思われるクルマの電動化は、必然的に大きな社会変化を引き起こす。

「給油」から「充電」へ

 クルマを使う消費者や利用者の立場で考えたとき、最も大きな変化の一つはガソリンや軽油といった燃料の「給油」が「充電」に変わることである(図2)。これまで“充電”という行為は、携帯電話やデジタルカメラで慣れているものの、クルマにはなかったものである。

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