コミュニケーション,コンピュータ,コンシューマの各分野で売り上げが倍増
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先端プロセスの売り上げも急回復
先端プロセスの売り上げも急回復
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2009年の生産能力は対前年比6%増を計画
2009年の生産能力は対前年比6%増を計画
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 台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC)は2009年7月31日,前日に台湾で開かれた2009年第2四半期(2009年4~6月期)の決算発表を受け,日本国内で説明会を開催した。売上高は対直前期比87.9%増の742億1000万台湾ドル,営業利益率は同30.8ポイント増の33.9%,200mm換算のウエハー出荷枚数は同121%増の197万1000枚と急回復している。ただし,対前年同期比では売上高が15.8%減,営業利益率が0.6ポイント減,ウエハー出荷枚数が15.4%減となっており,1年前の水準までは戻っていない。

 直前期比で見た売上高は,コミュニケーション,コンピュータ,コンシューマの各分野で倍増した。先端プロセス関連の売り上げも急回復しており,世代別の売上高比率は40nm世代が1%,65nm世代が28%,90nm世代が23%となっている。40nm世代の売上高比率は2009年第4四半期には10%に達する見通し。日本国内でもLSIメーカーのファブライト化の動きを受け,40nm/45nm/65nm世代への引き合いが急増しているという。また,第2四半期はファブレスの売上高比率が82%と近年まれに見る高さを記録した。台湾を中心としたアジアのファブレスの勢いが増しているという。

 第3四半期も引き続き好調に推移する見通しであり,売上高は直前期比で約20%増の880億~900億台湾ドル,営業利益率は同数ポイント増の35~37%と予想する。第4四半期は直前期比で横ばいか若干の減少を見込む。二番底のような大きな落ち込みは想定していない。

 2009年の設備投資は,当初15億米ドルを予定していたが,市況が回復基調にあることから,8億米ドルを積み増し23億米ドルに上方修正した。上期は3億9000万米ドルと投資を絞っていたことから,下期に19億1000万米ドルを一気に投じる。最新の300mmラインである「Fab 12」のフェーズ4と「Fab 14」のフェーズ3を中心に40nm世代向けの設備増強などを進める。2009年の全生産能力は対前年比6%増の993万7000枚(200mm換算)を計画する。このうち,先端プロセスの生産能力は同10%増を予定する。