豊田通商は,大型リチウム(Li)イオン2次電池の量産化を進めているエリーパワーの第三者割当増資による新規発行株式の募集に応じ,約5億円の出資を決めた。今後,同社は,Liイオン2次電池を中核に,太陽光を始めとしたグリーン電力事業を加速する。

 エリーパワーは,大型Liイオン2次電池の量産にメドをつけ,川崎市で工場建設計画を進めている。2010年度,20万セル/年の量産体制を構築し,自然エネルギなどのグリーン電力を蓄える電力貯蔵用システムおよび,そのコア技術となる大型Liイオン2次電池の普及を目指している。資材調達および今後の海外展開をにらみ商社の資本参画を求めていたエリーパワーと,太陽電池事業の一環として蓄電池事業への参画を模索していた豊田通商の方向性が一致し,エリーパワーへ出資を決定した。

 豊田通商は,関連会社のユーラスエナジーホールディングスを通じて,風力発電による自然エネルギ・ビジネスを行っている。2008年10月に,エネルギ・化学品本部内に新しく「太陽エネルギーグループ」を設立し,さらに太陽エネルギ分野においても新たなビジネスを創造すべく活動を進めている。エリーパワーへの出資は,太陽エネルギーグループとしての活動の第一歩という。太陽光や風力などの自然エネルギによる発電は今後更なる拡大が見込まれ,発電した電力の貯蔵と負荷平準を目的とした蓄電池の必要性が増大すると考えた。