図1 イー・モバイル 代表取締役社長兼COOのEric Gan氏
図1 イー・モバイル 代表取締役社長兼COOのEric Gan氏
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図2 他の移動体通信事業者に先んじて新しい通信方式の導入を進める
図2 他の移動体通信事業者に先んじて新しい通信方式の導入を進める
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図3 HSPA+の人口カバー率を2009年末までに60%超にする計画
図3 HSPA+の人口カバー率を2009年末までに60%超にする計画
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図4 2010年9月にDC-HSDPA,2011年にLTEを導入する
図4 2010年9月にDC-HSDPA,2011年にLTEを導入する
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 イー・モバイル 代表取締役社長兼COOのEric Gan氏は,「ワイヤレスジャパン2009」(2009年7月22~24日,東京ビッグサイト)の基調講演において,同社の移動体通信ネットワークの進化のスケジュールを語った(図1)。「2009年7月24日に開始する下り最大21Mビット/秒のHSPA+のサービスは,おそらく世界初だろう。そして,下り最大42Mビット/秒のDC-HSDPAのサービスを2010年9月に開始するつもりだ」(Eric Gan氏)。

 イー・モバイルは2009年4月に,国内の移動体通信事業者として初めて上り最大5.8Mビット/秒のHSUPAを導入した。今回導入するHSPA+も「業界初」(Gan氏)である(図2)。サービスの開始に合わせて,USBスティック型のデータ通信端末「D31HW」を発売する。「テスト環境では19.2Mビット/秒,フィールド試験環境では10数Mビット/秒強のスループットが出ている」(Gan氏)といい,既存の3Gサービスとの差異化を図れるという考えを示した。2009年末までに,HSPA+サービスの人口カバー率を60%超にすることを目指す(図3)。

 約1年後に導入するDC-HSDPAは,隣接する二つの搬送波を利用することで下りの最大データ伝送速度を42Mビット/秒に高める方式である。イー・モバイルはLTEを導入することを表明済みだが,「LTEの導入は2年後の2011年になるだろう。(3.9世代移動通信システムの導入に向けた特定基地局の開設計画が認定されたことで)割り当てられた新しい周波数を使って,新しいネットワークを構築することになる」(Gan氏,図4)。今回割り当てられた10MHz幅の周波数は,イー・モバイルが現行サービスで利用している周波数の隣である。このため,「セル設計の考え方などを流用でき,他社より投資が少なく済むのではないか」(同)という見方を示した。