半導体関連の市場調査を手掛ける米IC Insights, Inc.の調べによれば,2008年の太陽電池セル/パネルの世界市場規模は前年比70%増の6.0GWとなった(発表資料)。世界売上高も同71%増の138億5000万米ドルに拡大した。

 供給量シェアは首位メーカーでさえ1ケタにとどまり,5%を超えるメーカーは4社だけと混戦模様になった。首位はドイツQ-Cells SEで,出力換算の供給量は前年から48%増加し,全体の9.4%を占めた。売上高は43%伸び,全体の12.2%を占めている。同社は2年連続で首位に立ったが,成長率は市場平均を下回り,シェアを落とした。

 上位10社で最も成長率が高かったのは,前年の4位から2位に浮上した米First Solar, Inc.。供給量は前年比144%増でシェアが8.3%,売上高は同147%増でシェアは9.0%に拡大した。同社はCdTe(カドミウム・テルル)を用いた薄膜太陽電池を供給している。なお,First Solar社以外では,7位の中国JA Solar Holdings Co., Ltd.と9位の台湾Gintech Energy Corp.がそれぞれ100%を超える成長率を示した。両社とも太陽電池セルの専業メーカーである。

2008年の太陽電池セル/パネル供給量シェア(出力換算)
出典:IC Insights
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 供給量の3位は前年2位の中国Suntech Power Holdings Co.で,前年3位だったシャープはSuntech社と0.2ポイント差の4位に後退した。ただし,売上高ではシャープが3位,Suntech社が0.1ポイント差で4位となっている。IC Insights社はシャープの薄膜Si太陽電池の生産増強・拡販計画を「野心的」と評価し,計画通りに進捗すれば,市場シェアを早期に奪回できるだろうと予測した(Tech-On!関連記事)。

 シャープだけでなく,日本勢は総じて供給量シェアが低下している。京セラは前年の5.7%から4.6%に縮小し,5位から6位へ後退。前年7位だった三洋電機は上位10社から外れた。三菱電機もシェアを落としているという。