図1◎「レクサスHS250h」に採用されたシートクッション。
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図2-2◎トウゴマ(上)と,その種子(下)。
図2-2◎トウゴマ(上)と,その種子(下)。
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 三井化学は2009年7月15日,同社とトヨタ自動車,トヨタ紡織が共同開発した自動車用シートクッションが,トヨタ自動車の「レクサスHS250h」(Tech-On!関連記事)に採用されたと発表した(図1)。このシートクッションは,ひまし油由来の原料をポリウレタンに使用したもの。既に,トヨタ自動車が同年5月に発表した新型「プリウス」にも採用されている(Tech-On!関連記事)。 プリウスでは運転席にのみ同シートクッションを採用したが,レクサスHS250hでは助手席にも使用しているという。

 従来のシートクッションでは,石油由来のイソシアネートやポリオールを反応させて製造したポリウレタンを使用していた。それに対して新開発のシートクッションでは,質量比でポリオールの15%をひまし油の成分に置き換えたポリウレタンを使う。同ポリウレタンでは,ひまし油の成分を分子レベルでポリオールに近い構造へ変性させることで,自動車用シートに必要とされる反発弾性と耐久性を確保したという。

 シートクッションの原料としてバイオプラスチックを利用することにより,石油の使用量を削減できる。加えて,同ポリウレタンの原料となるひまし油は,トウダイグサ科のトウゴマの種子(ひまし)から採取されるもの(図2)。トウゴマが非可食であることも利点とする。