日立ソフトは2009年7月9日,電子黒板「StarBoard」シリーズとして学校教育向けの新製品を発表した(図1,ニュース・リリース)。同社の電子黒板「PX-DUO-50」を学校教育向けに装備を変更し,2009年8月17日に販売開始する。文部科学省が提唱する,学校のICT(information and communication technology)化や耐震化などを進める「スクール・ニューディール構想」に向けた製品。文部科学省は,価格が70万円程度の電子黒板を国内の小中学校にそれぞれ1台ずつ設置する計画だ。日立ソフトは新製品を,「国内の小中学校の約半数に納入したい」(同社)という。
PX-DUO-50は,ディスプレイに50型のPDPを採用する電子黒板である(Tech-On!の関連記事)。2個の赤外線カメラを搭載した座標検出装置と内蔵パソコンを用いて,文字入力や文字認識に対応する(図2)。今回の新製品は,地上デジタル放送用チューナーや可動式スタンドを標準で搭載する。従来品ではディスプレイの左側に搭載していた操作ボタンを,「教育現場の声を聞き,ディスプレイの右側へ配置」(日立ソフト)するなど,UIの改善を図った。このほか,オプションで保護カバーを提供する。
外付け座標検出装置を合わせて発表
日立ソフトは製品発表に合わせて,電子黒板向けにさまざまなサイズのディスプレイや黒板に外付け可能な座標検出装置「ユニバーサルデジタイザキット(UDK)」を発表した(図3)。この開発品は,赤外線カメラに画角が170度のレンズを採用する。2個のカメラ間距離を短縮できるため,ディスプレイの画面サイズに関係なく座標検出装置を搭載できる(図4)。現行の座標検出装置では,画角が94度である赤外線カメラをディスプレイ上部の左右に搭載していた。このため,ディスプレイの画面サイズに応じて,座標検出装置のサイズを変更する必要があったという。
日立ソフトはUDKを用いた製品として,プロジェクター投影型の電子黒板「StarBoard Next-FX-DUO(仮称)」を2009年度下期に販売開始するという(図5)。さらに,デジタル・テレビへの外付けユニット「後付け型StarBoard」を,2010年度に発売する予定。