マイクロソフトは2009年7月7日に新年度経営方針に関する記者会見を開催した。同社の2010年度は2009年7月1日に始まった。代表執行役社長の樋口泰行氏は前年度に起きたリーマン・ショックなどの景気後退が大きかったと振り返りつつも，「そのなかで，新たな成長に向けての土台作りを実施できた」と語り，2010年度の成長に自身を見せた。
2010年度は企業向けにソリューション提供体制を強化すると同時に，同社が提唱する「ソフトウエア＋サービス」の加速により，クラウド・コンピューティングに注力するという。「企業ユーザーはコスト意識が高まっている。自社でシステムを持つべき部分とクラウドに出すべき部分を識別し，適切な構成を選択する意識が高まっている」（樋口氏）。
またコンシューマー向けビジネスでは，新製品を続々投入する。まず第一に重視するのがパソコン向けの次期OS「Windows 7」である。Windows 7は「社内でも全員がベータ版や製品候補版を使っているが，今まで使った中でベストなOSという声があがっている」（樋口氏）。今回の説明会に合わせ，発売時期を2009年10月22日にすると発表した。結局，ワールドワイドの発売日に合わせた格好だ。
Windows 7に加えて，製品としてはWindows Mobile搭載機，新しい検索サービス「Bing」，「Xbox Live」向けの新サービスを提供する。「Bingは利用者が意思決定するのを支援するサービスとして開発した。表示順に工夫を施している。これを日本の利用者の嗜好に合わせて正式版として公開する」（代表執行役 副社長 コンシューマー＆オンライン事業担当の堂山昌司氏）。Xbox Liveでは，フルゲームのダウンロードや自作コンテンツの配信，ビデオ・コンテンツの配信を手掛ける計画であるという。
