【図】バイオ油原料の一つである非食料植物「ジャトロファ」。
【図】バイオ油原料の一つである非食料植物「ジャトロファ」。
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 豊田通商は2009年6月10日,バイオ油の原料となる植物の研究・販売会社であるシンガポールJOIL社に資本参加したと発表した。同社は今後,アジア,アフリカ,中南米地域においてバイオ油原料の一つである非食料植物「ジャトロファ」の種苗事業を展開するほか,将来的には農園の開発も目指していく計画だ。

 豊田通商は従来,バイオディーゼル燃料(BDF)の製造プロセスの開発に参画するなど,BDF事業へ取り組んでいる。BDF事業では現在,原料費コストが半分以上を占めており,非食料の原料を安定的に,かつ低コストで調達することが求められていた。

 ジャトロファは非農地でも管理がしやすい樹木で,将来,安価に供給できる可能性のある非食料植物。シンガポールの政府系研究所であるTemasek Life Sciences Laboratory(TLL)はジャトロファの品種改良を推進し,優良種を大量に生産する組織培養の技術を確立していた。JOILは,同技術の特許に関する独占実施契約をTLLと締結しており,優良種苗の大量生産・販売事業を展開する。