写真1 米NVIDIA社の社長兼CEOであるJen-Hsun Huang氏
写真1 米NVIDIA社の社長兼CEOであるJen-Hsun Huang氏
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写真2 Atom+IONの組み合わせが,CULVプラットフォームより性能面などで優れることを説明する
写真2 Atom+IONの組み合わせが,CULVプラットフォームより性能面などで優れることを説明する
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写真3 「ION」を搭載したAcer社の「AspireRevo」(左)と,Lenovo社の「IdeaPad S12」(右)を両手に持つNVIDIA社 Desktop GPU Business Unit General ManagerであるDrew Henry氏
写真3 「ION」を搭載したAcer社の「AspireRevo」(左)と,Lenovo社の「IdeaPad S12」(右)を両手に持つNVIDIA社 Desktop GPU Business Unit General ManagerであるDrew Henry氏
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 「GPUコンピューティングは,“Tipping Point”を迎えた」──米NVIDIA Corp. 社長兼CEOのJen-Hsun Huang氏は,今後パソコンでGPUによる処理が当たり前になっていくことをこう表現した(Tipping Pointとは,それまで少しずつ広がっていたことやものが,一気に普及,浸透していく場合の臨界点やターニング・ポイントといった意味)。

 米NVIDIA社は2009年6月1日,台湾の台北市で開催される展示会「Computex Taipei 2009」(6月2~6日)に先立ち,同地でプレス・カンファレンスを開催し,小型パソコン向けプラットフォーム「ION」を搭載する,いわゆるネットブック(低価格小型ノート・パソコン)や,GPUで実行するアプリケーションを開発するための開発環境「CUDA」などを紹介した。Huang氏はその中で,米Microsoft Corp.が2009年に出荷開始する予定の次期OS「Windows 7」が今年の最大の注目点であり,それによってGPUコンピューティングが一気に普及すると語った。

 Windows 7では,GPUはグラフィックス処理だけでなく,平行演算処理を実行するコアになると同氏は語る。そして,平行演算処理を必要とするアプリケーションとして,(1)写真とビデオ,(2)ゲーム,(3)ビジュアルWebの三つを挙げた。これらは現在のパソコンでも非常に身近で,頻繁に利用されるアプリケーションであり,Windows 7ではさらに劇的なユーザー体験をもたらすという。

 また,同氏は米Intel Corp.の超低電圧プラットフォームである「CULV」よりも,同程度の低電圧を実現するAtom+IONの組み合わせの方が,処理性能で大きく上回ると語った。特に,フルHDTV画質のBlu-ray動画再生に対応している点や,動画ファイル(720p形式で1時間)の変換処理で実行速度に8倍近い開きがある点を強調した。

 続いて,同社のDesktop GPU Business Unit General ManagerであるDrew Henry氏が登壇し,IONを搭載したパソコンとして,台湾Acer Inc.が2009年4月7日に発表した小型パソコン「AspireRevo」と,中国Lenovo Group Limitedが同年5月26日に発表したNetbook「IdeaPad S12」を紹介し,動画ファイル変換などのデモンストレーションを行った。このデモには,Microsoft社の担当者も登壇し,両社がWindows 7で密接な連携を取り合っていることを伺わせた。