太陽電池メーカー大手のドイツQ-Cells SEは現地時間の2009年5月26日,Si(シリコン)メーカーのカナダTimminico Ltd.とのSi供給契約の見直しを発表した(PDF形式の発表資料)。両社は2008年に,2008~2013年の5カ年にわたるSi供給契約を結んでいたが,今回この内容を変更。2009年に関しては,残りの期間でソーラー・グレードSiを100トン調達するとした。2010~2013年分については,調達量や価格に関して市場動向を踏まえて協議し,2009年末までに改めて契約を交わすという。契約変更に伴ってTimminico社は,未決済の預かり金およそ890万ユーロをQ-Cells社に返還する。

 ソーラー・グレードSiは,太陽電池の製造用途に特化した精製Siの総称。半導体向けに比べると要求される純度が低いため,製造コストの低減や安定的な供給につながるという(Tech-On!関連記事:「太陽電池メーカーの成長を加速」,Q-Cellsがソーラー・グレードSiセルを初展示)。Timminico社は冶金法でソーラー・グレードSiを製造している。Q-Cells社CEOのAnton Milner氏は今回の発表資料の中で「中・長期的な太陽電池セルの増産に向けて,ソーラー・グレードSiは重要な資源。当社の技術部門はTimminico社と協力して品質改善に取り組んでいる」と強調した。