ユニチカはこのほど,ポリ乳酸(PLA)を原料とするバイオマスプラスチック「テラマック」の新規アロイグレード樹脂の開発に成功した。ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂と同等の耐熱性/耐久性/耐衝撃性を持つという。既に,タニタがヘルスメータ「HS-302」本体の外装の一部に採用した。

 新規アロイグレードの主な特徴は,(1)CO2排出量はABS樹脂の約20%(2)ABS樹脂と同じ設備で成形加工でき,加工性は同樹脂とほぼ同等(3)日本バイオプラスチック協会(JBPA)認証の「バイオマスプラマーク」取得が可能――といった点になる。植物比率をコントロールしたりアロイ設計をすることにより,各種特性を調整できる。今回の「耐熱/耐久/耐衝撃」タイプ以外に,「透明/耐熱/耐久」タイプ,「耐熱/耐久/難燃」タイプなど,さまざまなグレード展開が可能だ。既に,一部グレードをサンプル出荷しているという。

 ユニチカは今後,今回開発した新規アロイグレードを電気製品の筐体をはじめ,雑貨や玩具などに,テラマック自体をフィルムやシート,繊維,スパンボンドなどに幅広く展開していく。なお,タニタでは,新規アロイグレードを採用したヘルスメータをまず欧州を中心に海外で発売し,販売地域を順次拡大していく予定。