エレクトロニクス製品に使われる分子技術の開発を手掛ける米ZettaCore, Inc.は,2100万米ドルの増資を行ったと発表した。今回の増資によって,同社の技術を市場投入するという。今回ZettaCore社に投資したのは,グロービス・キャピタル・パートナーズ,伊藤忠テクノロジーベンチャーズ,安田企業投資,米Epic Ventures社,米Panasonic Ventures Group。

 パナソニックのコーポレートR&D戦略室のCouncilor in the Technology Strategy Groupである樺澤哲氏は,「システム・レベルの配線をスケーリングしたり,メモリにおける『ムーアの法則』を進められる可能性のあるZettaCore社の技術に感銘を受けた」とコメントを寄せている。

 ZettaCore社は,分子界面材料やエネルギー保存素子,半導体メモリなどの開発を行っている。基板メーカーは,同社の分子界面材料製品を使用することによって,ICの基板や高速ボードの表皮効果による損失を軽減することができるという。2009年4月には,ナノレベルの分子エレクトロニクスに関連した技術を適用することによって,新しい材料やプロセスを導入することなく,半導体パッケージやプリント基板(PCB)の多層化および配線密度を向上できる分子界面技術を発表している。