NECは2009年5月11日,UQコミュニケーションズが全国展開する予定のモバイルWiMAXの基地局の開発・製造ベンダーに選定されたと発表した(発表資料)。

 今回選定された基地局装置は,NECの「PasoWings BS202」。NECによれば,PasoWings BS202はWiMAX基地局装置としては世界で初めて,基地局と端末間の電波干渉を低減するUL-BF(Uplink-BeamForming)技術を搭載するという。米ArrayComm社のマルチ・アンテナ用信号処理ソフトウエア「A-MAS」を採用することによって,UL-BF技術を搭載した。これによって,通信速度の向上や基地局1個当たりのカバー・エリアの拡大が可能になるという。

 PasoWings BS202の重さは約25kg,容積は約25L。3次元設計による高密度の実装や,放熱効率を考慮したパネル・レイアウトのほか,高効率アンプの採用による,通信の送受信を担うアウトドア・ユニット(ODU)と信号の変換や接続制御を担うインドア・ユニット(IDU)の一体化によって小型化を図った。これにより,工事期間の短縮やメンテナンスの簡素化も可能になったとする。

 さらに,WiMAX Forumが規定する「Wave2」仕様などの国際標準に準拠した外部インタフェースや各種機能を実装するため,他のベンダーの装置を併用するネットワークが構築できるという。

 なお,NECのグループ会社であるNECアクセステクニカは,UQコミュニケーションズからモバイルWiMAX用の端末のベンダーに選定されている。