30年振りに省エネを実現した丸形蛍光灯の新製品「パルック プレミアLS」。
30年振りに省エネを実現した丸形蛍光灯の新製品「パルック プレミアLS」。
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放電路の距離を短くして消費電力を抑えるロングマウント方式。
放電路の距離を短くして消費電力を抑えるロングマウント方式。
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3重コイルの構造は既存の「パルック プレミアL」と同じだが,封入ガス中のKrによってエミッタの消耗を抑えたことでさらに寿命が延びた。
3重コイルの構造は既存の「パルック プレミアL」と同じだが,封入ガス中のKrによってエミッタの消耗を抑えたことでさらに寿命が延びた。
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 パナソニックは,丸形蛍光灯の新製品「パルック プレミアLS」を発売する。丸形蛍光灯として省エネをうたうのは,1979年に省電力型の「パルック」を発売して以来となる。「丸形蛍光灯は,大きさがJIS規格で決まっていることなどからこれ以上は省エネ化できないと言われていたが,30年振りに省エネを実現した」(同社)。インバータ器具に装着した場合,従来のパルックプレミアに比べて消費電力を約5%削減できるとしている。2009年6月1日より発売する。

 省電力化するに当たっては,発光領域を減らす一方で高輝度の新型蛍光体を採用することで発光効率を高めて,明るさを維持しながら消費電力を抑えた。具体的には,二つのコイルの取り付け部(マウント)をそれぞれ10mm長くする「ロングマウント方式」によって放電路の長さを20mm短縮して消費電力を削減している。このとき,単にマウントを長くすると,ガラス管を湾曲させた際にコイルがガラス管に近づき過ぎてしまうため,ガラス加工時の温度条件を最適化することでガラス管の半径方向の中心にくるようにしたという。このほか,消費電力の削減のため封入ガス中にKrを含有させた。エミッタから放出された電子が分子量の大きなKrに衝突することで封入ガス中の水銀分子に衝突しやすくなり放電効率が高まる。ただし,発光効率の高い新型蛍光体については「組成を改良した」と述べるに留まった。

 定格寿命(照度が初期の80%まで低下する時間)も1万5000時間と長くなっている。2007年に発売した「パルック プレミアL」は1万3000時間程度だった。パルック プレミアLと同様にガラスと蛍光体の間のシリカ(SiO2)の保護膜を厚くすることで,ガラスからのNaなどのアルカリ成分の析出を抑えるとともに,封入ガス中のKrがエミッタの飛散・減少を抑える役割を果たしている。大きさは30型,32型,40型の3種類で,いずれも電球色,ナチュラル色,クール色の3色の光色がある。オープン価格だが,実売想定価格は30型が1200円,32型が1700円,40型が2000円となっている。