電子ペーパーの開発を手掛けるベンチャー企業,米E Ink Corp.は,同社のIPOかM&Aが近く実施される見通しであることを明らかにした。2009年4月中旬に都内で開催されたセミナーで,同社幹部が言及した。日経エレクトロニクス2008年6月16日号に掲載した同社幹部のインタビューでも同様の発言がある。今回は,あらためてその方向性を示した格好だ。

 1997年に設立されたE Ink社は,電子ペーパーの実用化で先行してきており,既に電子ブックや携帯電話機のほか,時計や棚札などの用途に幅広く採用されている。「事業規模が大きくなり,ベンチャー企業としての役割は終わりに近づいている」(同社幹部)とする。

 前出のセミナーで同社幹部は,「2009年下期までE Ink社の電子ペーパーは既に売り切れており,売り上げも年に2~3倍の成長を続けている」と,事業の好調ぶりの一端を示した。