「『ION』は破壊的な技術」,NVIDIA社が小型パソコン向けプラットフォームをアピール
米NVIDIA Corp.は2009年4月21日に,小型パソコン向けプラットフォーム「ION」の説明会を開催した。「ミッドレンジ・パソコンの機能を低い価格帯の小型パソコンで実現するIONは破壊的な技術であり,後から『あれがターニング・ポイントだった』と考えるのではないか」(NVIDIA社 日本代表の細井洋一氏)と,同社にとって重要な製品であるとアピールした。
IONは,NVIDIA社の統合型チップセット「GeForce 9400M G」と米Intel Corp.のマイクロプロセサ「Atom」の組み合わせに冠したブランド名である(図1)。2008年12月に発表した。GeForce 9400M Gは,メモリ・コントローラや各種の周辺機器インタフェース回路のほか,GeForce系のグラフィックス描画回路や,1080p映像に対応する動画再生用回路などを集積した1チップ構成のLSI。このGeForce 9400M GとAtomとの組み合わせによって,「Nettop」や「Netbook」などと呼ばれる小型で安価なパソコンでも,高度な3次元グラフィックスの描画やHDTV映像の再生などが可能になるとNVIDIA社は主張している(Tech-On!の関連記事1,関連記事2)。
最初の採用製品はAcer社の小型デスクトップ
IONの最初の採用製品となるのは,台湾Acer Inc.が2009年4月7日に発表した「AspireRevo」である(図2,NVIDIA社のWebサイトに掲載された発表資料)。外形寸法が180mm×180mm×30mmと小型のデスクトップ・パソコンで,Acer社は「屋内での利用シーンを研究し,快適に画像や動画を楽しめることを目指した製品」(日本エイサー マーケティング・マネージャーの瀬戸和信氏)とする(図3)。リビング・ルームのテレビの横に置くといった使い方を想定する(図4)。国内での販売価格や正式仕様は「近いうちに発表する」(瀬戸氏)予定である。
NVIDIA社は2009年2月11日に,ION採用製品への「Windows Vista Home Premium」の搭載に向けて米Microsoft Corp.と協業すると発表しており,その中で「IONを採用した小型パソコンを『299米ドルから』という価格で提供する」と表明した。ただし今回の説明会でMicrosoft社の日本法人は,ION採用製品を安価に提供するためのOSのライセンス料やその条件について明言を避けた。
次世代Atomまでのつなぎにあらず
Intel社が開発中の,Atomの次世代版「Lincroft」(開発コード名)には,メモリ・コントローラやグラフィックス描画回路,動画の符号化/復号化回路などが集積される見込みだ(関連記事3)。LincroftとGeForce 9400M Gで機能が重複することについては,「これまでのデスクトップ・パソコンでも,チップセット統合型のグラフィックス描画回路とは別に,GeForceのようなディスクリートのGPUを搭載することがあった。それと同じことが起こるだろう」(NVIDIA社 Senior Technical Marketing Manager, APACのJeff Yen氏,図5)とした。プロセサ統合型のアクセラレータでは性能が不足する場合にGeForce 9400M Gやその後継品などを利用してもらうという使い方になるという見方である。「少なくとも我々はIONを,(Lincroftが登場するまでの)1年間程度の事業だとは考えていない。もっと長い事業になる」(Yen氏)。












