ロボットメーカーなどで構成されるロボットビジネス推進協議会は,技術者の育成を目的とした検定事業を開始する。メーカーの若手技術者や内定者,理工系の学生などを対象に,メカトロニクスに関するスキルを「見える化」することで,人材育成や採用活動に役立てられるようにするのが狙いだ。

 新検定の名称は「メカトロニクス/ロボット検定(ロボ検)」。検定試験では,幅広い分野(数学/物理学/機構学/エレクトロニクス/ソフトウエア)の知識およびスキルを問う。出題分野の策定には,ロボット産業政策研究会(経済産業省)が2009年3月に公表した報告書中の「ロボットテクノロジー」の定義を参照したという。

 検定事業の主催はロボットビジネス推進協議会だが,実務はロボット関連技術者の教育事業を手掛けているロボテスト(本社東京)が担当する。また,問題の作成は,この分野において実績のある大学教授・准教授によって構成されるメカトロニクス/ロボット検定評議会が行う。ロボットビジネス推進協議会は,検定事業が公正に運営されているかどうかを監視する役割も担うという。

 第1回試験は,2009年6月に実施する(受験申し込み用のWebサイト)。個人受験と団体(企業,大学)受験があり,個人受験の試験日は同月20日,団体受験は同月15~26日の間で各団体が実施する。ロボテスト代表取締役の谷口恒氏によれば,既に企業は5~6社,大学は15校ほどが団体受験実施を決めているという。企業では「入社1~3年目ぐらいの若手や,2010年に入社する内定者に受験させようとしている例が多い」(同氏)。将来的には,年間で5000~1万人程度の受験者数を見込んでいる。

設立の経緯(1)
設立の経緯(1)
ロボット産業の発展には,人材の育成が不可欠と判断した。
設立の経緯(2)
設立の経緯(2)
企業と学生のマッチングも目的とする。
検定事業のビジョン
検定事業のビジョン
人材育成ツールとして活用していくことを目指す。
出題領域
出題領域
現在は工学分野に重点を置いているが,アプリケーション開発やロボット製品企画といった分野も充実させていく構想があるという。
出題イメージ
出題イメージ
マークシート解答方式で45~50問程度の出題を想定している。
スコアレポート
スコアレポート
受験生はこのようなスコアレポートを受け取れる。受験生がWebサイトにアクセスして取得するような形を想定している。
実施スケジュール
実施スケジュール
2009年11月には第2回の実施も予定する。