ルネサス テクノロジは2009年4月21日,連結子会社であるキーストリーム(東京都中央区)を同日付で解散した(発表資料)。キーストリームは2000年12月に設立,低消費電力をウリにする無線LANチップセットや関連ソフトウエアの開発/販売事業を営んでいた。2007年1月にはルネサスから出資を受け,キーストリームの無線LANチップとルネサスのマイコンやSoCを組み合わせた製品を両社で提供してきた。2009年3月末時点ではルネサスの出資比率は7割弱となっていた。

 2008年秋以降,世界経済の悪化に伴って半導体市況が冷え込むと,顧客企業で予定していたプロジェクトが中止になるなど,キーストリームの事業にも大きな影響が出たという。平均販売単価も低下し,収益が大幅に悪化する中でキーストリームは同社単独での事業運営を断念。2009年4月1日付で無線LAN事業をルネサスに譲渡した(Tech-On!関連記事)。主要事業の譲渡にかかわる移管作業の完了に伴い,会社清算手続きに入った。従業員約30人は事業譲渡の時点で全員が退職し,顧客サポートに必要な一部人員をルネサスで再雇用したという。