Paremus社CEOのRichard Nicholson氏
Paremus社CEOのRichard Nicholson氏
[画像のクリックで拡大表示]

 動的な負荷分散や機能分散を実現するソフトウエアを開発・販売している英Paremus Ltd.は2009年4月20日,電子部品輸入・販売を手掛けるマイクロサミットを総代理店として日本市場に参入すると発表した。

 Paremus社が手掛けている「Paremus Service Fabric」は,OSGi Allianceが定めるサービスの部品化規約である「OSGi」に基づく分散処理実行環境で,実行時の負荷などに応じて処理を複数台のコンピュータに分けたり,サービスの柔軟な更新が可能である。またOASISが定めるSCA(Service Component Architecture)に準拠しており,複数の異なるサービスを連携させる方法をモデルとして定義できる。このモデルに基づいて,自動的にサービス部品をコンピュータに配信し,実行させることができるという。こうした機能を実現していることから,クラウド・コンピューティングに求められる柔軟性を実現できるという。

 「クラウド・コンピューティングは多くの企業が手掛けているが,パブリック・クラウドは大手企業は採用しがたい。データの秘匿性などの問題があるし,コスト的にも大規模になると自社で手掛ける“プライベート・クラウド”と変わらなくなる」(Paremus社CEOのRichard Nicholson氏)。

 例えば機器メーカーが所有者に対してサービスを提供する際に,所有者の情報などを管理するには自社システムとして保持した方が有利であり,パブリック・クラウドは使わないだろう。その際,全体のコストを抑えるため,ある機種向けのサービスを一つのシステムとして実装するのではなく,複数機種向けのサービス間でサーバーを融通すべきだ。このような場面でParemus Service Fabricを利用すると,比較的容易にサービスを実装でき,しかもトータルのサーバー台数を抑えることにつながる可能性がある。