東芝は,2008年度(2008年4月~2009年3月)の業績予想を修正した( Tech-On!関連記事)。説明会には,同社 代表執行役専務の村岡 富美雄氏が登壇した。2008年度の売上高予想は約6兆6500億円と,2009年1月時点の見込み値に対して約500億円の減収となった。一方,2008年度の営業損益予想は約2500億円の損失だが,2009年1月見込みに比べて約300億円改善している。

 営業損益の300億円の改善分の内訳は次の通り。電子デバイス事業が約150億円,デジタルプロダクツ事業が約50億円,家庭電器事業が約50億円,その他が約100億円,それぞれ改善した。一方,社会インフラ事業は2009年1月見込みに対して50億円悪化した。

 電子デバイス事業の損益は,メモリ,システムLSIの増収により改善した。電子デバイス事業の約150億円の改善分の内,約100億円が半導体事業である。この100億円の改善は,メモリとシステムLSIによってもたらされたという。「メモリとシステムLSIの改善幅はほぼ同じ。若干システムLSIが多い程度」(同社)である。

 メモリ事業の損益が改善傾向にあるのは,NANDフラッシュ・メモリの価格が下げ止まってきたためである。東芝によれば,2008年度通年でNANDフラッシュ・メモリの売価は70%強下落したという。これに対して,2008年度第3四半期(2008年10月~12月)から2008年度第4四半期(2009年1月~3月)にかけては,「売価ダウンは約3%で済んだ」という。

 デジタルプロダクツ事業の損益改善を牽引したのが,テレビ事業である。同社の2008年度のテレビ事業は「年間で黒字化を達成した」(同社)という。他社の中にはテレビ事業の巨額損失に悩むところがある中,「我々は,2007年度下半期,2008年度上半期,2008年度下半期と,3半期連続で黒字化できた」(東芝)と自信を見せた。