資生堂は,ポリ乳酸(PLA)を使った容器を開発した。2009年9月に,中国向けの化粧品ブランド「URARA」で採用する予定だ。新技術では,容器ボトル部分の半分以上を植物由来としている。

 一般にPLAは,石油資源を原料とするプラスチックに比べて耐熱性や耐衝撃性,水分バリア性などの点で劣る。そのため,長期間にわたって内容物を保護する必要のある化粧品容器に実用化するのは難しいとされていた。新技術では,成形時にPLAの品質を厳密に管理するとともに,PLA層の組成を最適化した。さらに,汎用樹脂である高密度ポリエチレン(HDPE)とPLA層を積層することで,耐衝撃性などを高めた。

 同社は,中国市場を海外事業の重要な柱の一つと位置付けており,工場(資生堂麗源化粧品,上海卓多姿中信化粧品)の二酸化炭素排出量を削減する活動や,工場内で排水を処理して再利用する活動,甘粛省での植林活動,といった環境保護活動を展開している。こうした取り組みの一環として,新容器を中国向け製品に採用することを決めた。