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夏野氏ら,日本のIT企業の国際競争力強化に向け「超ガラパゴス研究会」を発足

  • 小笠原 陽介=日経エレクトロニクス
  • 2009/04/13 20:48
  • 1/1ページ
「超ガラパゴス研究会」委員長に就任した慶應義塾大学 特別招聘教授の夏野剛氏
「超ガラパゴス研究会」委員長に就任した慶應義塾大学 特別招聘教授の夏野剛氏
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「超ガラパゴス研究会」副委員長に就任した日立コンサルティング取締役の芦辺洋司氏
「超ガラパゴス研究会」副委員長に就任した日立コンサルティング取締役の芦辺洋司氏
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「超ガラパゴス研究会」に委員として参加する経済産業省 商務情報政策局 メディア・コンテンツ課 課長の村上敬亮氏
「超ガラパゴス研究会」に委員として参加する経済産業省 商務情報政策局 メディア・コンテンツ課 課長の村上敬亮氏
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 NPO法人であるブロードバンド・アソシエーションは,日本のIT(情報通信技術)企業の国際競争力強化に向けた施策を探求する「IT国際競争力研究会」を設立した(発表資料)。委員長には慶應義塾大学 特別招聘教授の夏野剛氏が就任し,情報通信産業関係者,大学や政府関係者,アナリストやコンサルタントなど22人で構成する。委員会の俗称は「超ガラパゴス研究会」とする。日本のIT産業のいわゆる「ガラパゴス化」現象を逆手にとり,日本の先進性を世界に発信するチャンスと捉える「超ガラパゴス戦略」を検討する。2009年末を目標に具体的な施策案をまとめ,企業や政府に提案していきたいとする。

 2009年4月10日に開催した設立発表会で,委員長の夏野剛氏は「世界的に見た日本のIT企業のプレゼンスは低いが,それには理由があるはずだ。しかし現状では,合理的な議論がなされているとは思えない。感情的な議論を排したいので,冷静に話せる人に集まってもらった。無報酬の私的な勉強会だが,議論の内容を含めて積極的に情報公開し,成果は幅広く提案していきたい」と研究会設立の趣旨を説明した。その上で超ガラパゴス戦略について「ガラパゴス化という言葉は悪いイメージで語られているが,例えば任天堂のゲーム機『Wii』はガラパゴスそのものだ。特異な進化は差別化の源でもあり,特異に競争力がある可能性がある。良いものは世界で競争力がつくように,何が必要かを考えたい」とした。

問題点を事実ベースで明らかに

 副委員長に就任する日立コンサルティング取締役の芦辺洋司氏は,ガラパゴス化と言われている現象を分析し,日本発祥の技術や製品,コンテンツなどが日本市場に留まる「引きこもり」状態であることを指摘した。その上で,ガラパゴス化は視点を転換することでプラス要因と捉えられることを説明し,超ガラパゴス戦略とは「積極的な意思と明確な指針を持ってガラパゴス化を実行すること」であると述べた。仮説として,引きこもり状態から脱却するには(1)グローバル規格を押さえる,(2)日本の良さを世界で活かす,(3)まったく新しい市場を創造する,(4)既存商品で優位性を発揮する,といった視点で議論を組み立てるといった方向性があるとし,それぞれについての議論のポイントを示した。

 委員として参加する経済産業省の商務情報政策局 メディア・コンテンツ課 課長の村上敬亮氏は,日本のコンテンツ産業の現状について概説した。世界のどの地域でもコンテンツ産業の市場規模が拡大している中で,日本はゲームやまんが,アニメで強力なコンテンツを持ちながら市場規模が横ばいであることを指摘し「この現状について言いたいのは『もっとやりようはあるだろう』ということ」と語った。日本のコンテンツ産業の課題として(a)海外展開力の弱さ,(b)メディアの多様化に伴う収入構造の変化に業界の構造が追随できていない,(c)他産業との連携の必要性,などを挙げた。

 質疑応答では,どこまで踏み込んだ議論をするのか,その成果をどう生かすのかといった質問が出た。夏野氏らは「これが問題だ,ということが認識できるよう,まずは事実ベースできっちりと情報提供していく必要がある。特にコンテンツ産業の人は分かっていない。一種の啓蒙と考えている。我々がインプリ(実装)をするのではなく,行動が起きるような知恵を提供していきたい」とした。また,ハード(機器産業)の話とソフト(コンテンツ産業)の話は質が違うのではないかという問いに対して夏野氏は,同氏がかつて立ち上げたNTTドコモの「iモード」を引き合いに出して「iモードはハードとソフトのどちらでもあり,どちらかではない。モノの価値がハード力では決まらない」とした。

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