図1 新ブランド「iida」を発表
図1 新ブランド「iida」を発表
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図2 KDDI 代表取締役社長兼会長の小野寺正氏。右側が「G9」,左側が「宇宙へ行くときのハンドバッグ」
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図3 総合ブランドである「au」の中の1ブランドと位置付ける
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図4 iidaブランドの最初の携帯電話機「G9」。ソニー・エリクソン製
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図5 ボタンを押しやすいように傾斜をつけた
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図6 超小型プロジェクターをiidaブランドで発売
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図7 DLP Picoチップセットを用いた「Mobile pico projector」は東芝製
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図8 携帯電話機と置き台がセットになった,草間彌生氏デザインの「私の犬のリンリン」
図8 携帯電話機と置き台がセットになった,草間彌生氏デザインの「私の犬のリンリン」
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図9 これまで黒ばかりだった充電器にカラー・バリエーションを加える
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 KDDIは2009年4月7日,携帯電話機の新ブランド「iida」(イーダ)を発表した(図1発表資料)。外部のデザイナーやアーティストの協力によって開発したデザイン重視の携帯電話機と,その関連機器をiidaブランドで2009年4月下旬から順次発売する(図2)。

 iidaのブランド名は,「innovation」「imagination」「design」「art」という4個の単語の頭文字を取ったもの。KDDIは2001年に「au design project」と呼ぶデザイン重視の携帯電話機開発のプロジェクトを開始し,2003~2007年にかけて7機種を販売した。このau design projectでは,携帯電話機の先進的なデザインを実現することを目指していたとKDDIは説明する。今回のiidaでは,「先進的なデザインに加えて,質感や愛着,使いやすさといった広がりを持った製品」(同社 取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏)を提供することを目指す。携帯電話機だけでなく,その関連機器やアクセサリなどもiidaブランドで展開していく計画である。携帯電話サービスの総合ブランドである「au」内の1ブランドと位置付ける(図3)。

 iidaブランドの携帯電話機の第1弾として,岩崎一郎氏がデザインした「G9」を発表した。115mm×50mm×17.4mmのスライド型の端末で,ステンレス製のフレームやAl製のボタンなどによって質感の向上を狙った(図4)。重さは128gで,ディスプレイは480×854画素の3.0型液晶パネル。ボタンに傾斜をつけることで押しやすさに配慮した(図5)。G9(ジーナイン)という製品名は,「岩崎一郎氏が2001年に製作したコンセプト・モデル『GRAPPA』の2009年版という意味を込めて名付けた」(高橋氏)。

 G9は,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製である。KDDIが2009年春モデルとして発売した「Cyber-shotケータイ S001」(Tech-On!の関連記事)が元になっている。「ハードウエア的には,筐体のデザインと,カメラ・モジュールが大きく変わった。カメラの画素数は約800万画素から約300万画素に変わった。その他のハードウエア構成はほとんど同じだが,操作画面や各種の画像データなどはG9のデザインに合わせて新たに製作した」(説明員)。

 G9の発売と同時期に,iidaブランドの周辺機器として超小型プロジェクター「Mobile pico projector」を発売する(図6)。

 このプロジェクターは東芝製。外形寸法は50mm×112mm×18.3mmで,重さは128gと,G9とほぼ同じ大きさである。米Texas Instruments Inc.の「DLP Pico」チップセットを採用しており,「明るさは約5lm」(説明員)。投射距離が0.25mで6型,2.5mで63型相当の画面サイズとなる。連続使用時間は130分で,充電時間は110分(図7)。

 Mobile pico projectorはG9と同様に岩崎一郎氏がデザインした。G9とS001のほか,「CA001」「H001」「W63CA」「W63H」「G'zOne」「W62CA」「W62H」に対応する。ワンセグ(リアルタイムおよび録画再生),EZムービー,写真,ドキュメントビューアーの映像を携帯電話機からプロジェクターに出力できる。

 このほかKDDIは,開発中のiidaブランドの新機種を公表した。芸術性を持たせた携帯電話機として開発しているのが,前衛芸術家の草間彌生氏がデザインを担当した「ドッツ・オブ・セッション、水玉で幸福いっぱい」「私の犬のリンリン」「宇宙へ行くときのハンドバッグ」の3製品である。いずれも,草間氏の作品をモチーフにしたもの。ドッツ・オブ・セッションと私の犬のリンリンは,携帯電話機と置き台がセットになっている(図8)。心地よさを感じさせるデザインを追求した携帯電話機として開発しているのが,迎義孝氏がデザインを担当した「misora」。過剰な装飾を排し,雲や夕日,月明かりなどをイメージした色合いや,なじみの良い形状を目指した。iidaブランドの充電器も提供する。充電器のケーブルを草木に見立てて葉の装飾をつけた緑色の「AC Adapter MIDORI」や,青や白などの4色のカラー・バリエーションがある「同 AO / SHIRO / MOMO / CHA」を発売する(図9)。