米Intel Corp.は,2008年のすべての四半期において,マイクロプロセサ世界市場での売上高シェアを直前期と比べて拡大させた。----米iSuppli Corp.は,こんな内容のレポートを発表した(発表資料)。Intel社の第4四半期における売上高シェアは81.8%。直前期に比べて0.88ポイント増加した。前年同期と比べても3.4ポイント増加したという。

 この成長の要因の一つは,Intel社の低価格なマイクロプロセサ「Atom」の出荷増。Atomの需要は,小型で低価格のノート・パソコン,いわゆる「ネットブック」の市場が拡大したことによって,次第に高まった。ネットブックの世界出荷台数は,2009年も前年同期比で68.5%増加する見通しという。ただし,「Intel社のマイクロプロセサ市場における成功の背景には,Atomだけでなく,デスクトップ・パソコンやノート・パソコン,サーバ向けといった製品の強さや,Intel社のブランド力の高さなどがある」とiSuppli社は分析する。

 Intel社の競合企業である米Advanced Micro Devices, Inc.(AMD社)は2008年第4四半期に,前年同期比でも直前期比でも,売上高シェアを縮小した。同社の2008年第4四半期の売上高シェアは,対前年同期比3.5ポイント減,対直前期比1.6ポイント減の10.6%だった。

 2008年通期で見ても,Intel社はマイクロプロセサ市場で,前年に比べてシェアを1.6ポイントを拡大した。一方,AMD社やその他のメーカーは,シェアを失った。2008年はAMD社にとって厳しい年となったが,同社は製造関連資産を減らすなどの戦略的な方策を実施している。また,45nm世代のプロセス技術を使った製品の出荷も開始している。iSuppli社は,「AMD社は2009年に,マイクロプロセサ市場において前年よりもよい位置につけるだろう」と予測している。