米Google Inc.は「Web 2.0 Expo」のセッションで,「Google Maps Data API」を公開した。このAPIはGoogle社のサーバーに,地理情報データを管理させるために使う。こうしたAPIを使って地理情報データをクラウドに置くことで,検索サービスから漏れてしまうことを回避できるという。「大量の地理情報データがあると,通常はデータベースで管理する。しかしデータベースに格納された情報は検索エンジンの調査対象にならない。結果として,あり得るべき検索結果から漏れてしまうことになる」(Google社のKeith Golden氏)。

 これを回避する方法としてGolden氏が挙げたのが,(1)商用のGIS(geographic information system)に情報を置き,Google Map/Earth用の地理データ形式「KML」でデータを生成できるようにして検索の対象とする,(2)データベースから標準形式のデータを生成し,それが検索の対象となるような実装をする,(3)クラウド・サービスにデータを置く,である。これらのうち,Google Maps Data APIは(3)の実現方式の一つとなる。

 現時点ではまだパートナー企業と一部の初期テスターにしか公開していなかった。それをこのセッションに参加したメンバーのサインアップを可能にする。一般公開もそう遠くないという。