2009年4月1日~3日に米国ラスベガスで開催される携帯電話関連の展示会「International CTIA WIRELESS 2009(CTIA)」の開幕前日に当たる2009年3月31日,米Vitality,Inc.は無線機能を搭載した薬容器向けフタ「GlowCaps CONNECT」を公開した(同社のWebサイト)。
この製品は,錠剤などを入れる一般の薬容器にフタとして取り付けて使う。GlowCaps CONNECTは,あらかじめ設定した時間になると,フタに備えられたライトが光り,ユーザーに薬を飲む時間を知らせる。光で知らせてもユーザーがまだフタを開けなければ,今度はフタが音を出す。これでもユーザーがフタを開けない場合,その情報を家庭に置かれているゲートウェイ装置を経由して,インターネットを通じてサーバーに報告する。これを受けて,サーバー側で,さらにユーザーに電話を掛けるという機能がある。インターネットに接続する機能により,ユーザーの関係者に電子メールで報告したり,薬がなくなると自動的に薬局に情報を送ることもできる。
Vitality社は既に,無線機能を備えていない製品「GloCap Solo」の発売を2008年11月に開始した。GloCaps CONNECTは,無線機能の実現のために米Texas Instruments Inc.製の900MHz帯のLSIが搭載されているという。転送距離は100mである。電池寿命は少なくとも6ヶ月は持つと主張する。フタからの情報をインターネットに転送する目的で,同社はフタとの通信ができるパソコン用USB装置やGPRS,通常の電話線モデム内蔵装置,Ethernet接続装置を用意している。
フタそのものの生産コストは2米ドル程度という。しかし,Vitality社は今回のシステムを薬局を経営する企業などに売り込み,ユーザーには無料で提供するビジネス・モデルを検討している。同社によると,現在,GloCaps CONNECTは米国の2大学と共同で試験運用を行っている。