カメラや写真印刷機,写真感光材など写真関連製品を一堂に集める展示会「フォトイメージングエキスポ」(以下,PIE)が存続の危機に瀕している。PIEは,従来は別個に開催していた「フォトエキスポ」「ラボシステムショー」「国際プロ・フォト・フェア」の3つの展示会を統合したもので,2005年から毎年3月に開催。カメラ映像機器工業会(CIPA),写真感光材料工業会,日本カラーラボ協会,日本写真映像用品工業会の4団体が主催している。

 2009年3月にも5度目の開催を迎えたばかりだが(日経トレンディネットの記事),2009年3月31日,CIPAがPIEの主催を離れ,CIPA主催の新イベントを立ち上げると発表した(PDF形式の発表資料)。PIEは主催4団体が運営幹事を1年ごとの持ち回りで担っており,CIPAによれば,そのため一貫したコンセプトでイベントを運営しにくいという問題点があったという。2008年のPIE閉幕後,CIPAは他の3団体と協議したが意見が容れられなかったため,CIPAが3団体と袂を分かつ形になった。協議の内容やCIPAが新しい展示会で目指す方向性などは「現時点では明らかにできない」(CIPA事務局)とする。新イベントの概要は2009年4月17日に発表予定とした。

 写真感光材料工業会は「PIEは企業向けも含めて写真業界全体を見渡せる展示会として発展していくはずだった。CIPAとしては民生向けの展示会を開いてカメラをしっかり売っていきたいという考えがあったものと思われるが,一方的な脱退は非常に残念。CIPAから新しい展示会に協賛するよう呼びかけがあったが賛同できない。残る3団体でPIEまたはPIEに代わるイベントを検討したい」(同協会事務局)との見解を示した。

 日本カラーラボ協会は「急なことで驚いている。残念。PIEの主催4団体は年間40回の打ち合わせを行ってきた。運営幹事1団体の意向が展示会全体のコンセプトを簡単に左右するようなことはなかったはず」(同協会事務局)と首を傾げる。今後については「統合前の状態に戻して各団体が別個の展示会を運営する形も選択肢の1つにはなるだろう」(同)とした。

 日本写真映像用品工業会は「なんらかのイベントは継続したいというのが4団体共通の認識。どういう形になるのか現時点では未定だが,CIPA主催の新イベントに協賛するのも選択肢の1つ。イベントは一定の規模を保つことが,来場者や出展者にとっても,主催側にとっても有益なはず」(同協会事務局)とした。