市場調査を手掛ける富士経済は,光源/照明市場の調査結果をまとめた。同社はこの分野の注目市場として国内の照明器具市場(住宅用やオフィス用,屋外用など全般)を挙げる。改正建築基準法の影響や世界的な景気後退を背景に市場規模は2008年,2009年と下降傾向が続くが,2012年には5090万台(2008年比1.9%減),4880億円(同8.6%増)になると予測。今後はLED照明や有機EL照明が売上高の伸びをけん引するとみている。LED照明器具の国内市場規模は2012年に数量ベースで325万台(2008年比371.0%増),金額ベースで578億円(同335.2%増)を見込む。有機EL照明器具は2011年ごろから市場が立ち上がり,2012年に国内市場規模が20万台,100億円程度になるとした。

白色LEDチップの世界売上高,2008年は7.4%増

 可視光ランプと紫外光ランプ,LED,半導体レーザを合わせた光源市場の世界規模は2008年に前年比0.6%減の3兆8152億円になった。このうち約8割が可視光ランプの売上高となっている。一般照明用途で白熱電球を代替する蛍光ランプの需要が伸びたという。

 2008年のLEDの世界売上高は光源市場全体の14%を占めた。販売数量は前年比8.3%減の1000億個,売上高は同4.8%減の5352億円である。景気後退で企業が在庫を抱えたため,需要が低迷した。高成長が期待された白色LEDの売り上げも前年比7.4%増と成長率が1ケタにとどまった。2009年のLED全体の世界売上高は前年比6.4%減になる見込みで,市場が拡大に転じるのは2010年以降と富士経済はみている。2012年には販売数量が1116億個(2008年比で11.6%増),売上高が6363億円(同18.9%増)に達すると予測した。