電機大手8社の新卒者採用計画(国内単独ベース)
電機大手8社の新卒者採用計画(国内単独ベース)
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【参考】電機大手8社の2008年度の業績予想(各社の発表ベース,単位は億円,パーセンテージは前年度比)
【参考】電機大手8社の2008年度の業績予想(各社の発表ベース,単位は億円,パーセンテージは前年度比)
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 電機大手8社による2009年度(2010年4月入社)の新卒採用人数は,8社合計で4000人前後となり,前年度比で4割ほど減少することがわかった。世界経済の低迷に伴う業績悪化を受け,パナソニックを除く7社が採用を減らす方針を採る。

 最大手の日立製作所は,大卒/高専卒650人,高卒150人の合計800人を採用する計画(発表資料)。2009年4月入社予定の1250人に比べると36%少ない。また,2009年4月~2010年3月の経験者採用は50人を予定しており,前年度実績の150人から大きく減らしている。

パナソニックは技術系の採用を増やす

 パナソニックは,前年度と同等の500人を採用するとした。内訳は技術系が400人,事務系が100人。2009年4月に入社するのは技術系が370人,事務系が130人で,これに比べて今回の採用計画では技術系の割合を高めている。Liイオン2次電池や燃料電池,省エネ技術などの「環境・エネルギー事業」とプラズマ・テレビ,液晶テレビ,有機ELテレビの「薄型テレビ事業」の強化に向け,開発技術や生産プロセス技術に関わる人材を積極採用するという。なお,経験者採用は未定とした。

 ソニーは,2009年3月24日時点で採用計画人数は未定という。前年度実績は技術系が400人,事務系が100人で合計500人。これに対して縮小する方針を固めているものの,具体的な人数や技術系の割合,注力分野などは検討中とした。経験者採用については凍結中で,採用再開の時期は決まっていない。

 東芝は,新卒700人の採用を計画(発表資料)。2009年4月入社予定の1200人から4割ほど減らした。内訳は技術系が420人,事務系が170人,技能系が110人。技術系の割合を前年度の65%から60%へ縮小している。経験者採用は前年度の410人に対し,250人の予定という。

富士通の技術系採用はITに集中

 富士通は,大卒新卒者440人の採用を予定している(発表資料)。内訳は技術系が270人,事務系が170人。事務系は前年度と同水準で,技術系を35%減らした。IT分野の技術者は引き続き積極的に採用するとしており,デバイス分野の採用を抑える考え。

 NECは発表済みの7社の中で最も大幅に採用を減らす(発表資料)。大卒採用は前年度の840人に対し,100人の計画。経験者採用は未定である。三菱電機の新卒採用は1000人と規模が大きい上に,前年度に比べても減少率は9%と小さい(Tech-On!関連記事1)。経験者採用は前年度並みの400人を予定している。シャープは7社平均を上回る幅で採用を絞る(Tech-On!関連記事2)。新卒採用は前年度の700人に対し,280人としている。