「フォージガード」
「フォージガード」
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 富士フイルムは,専用フィルターをかざすことで,フルカラーの画像や文字などの情報を出現させる偽造防止技術「フォージガード」を開発したと発表した(発表資料)。クレジット・カードやブランド品,自動車のエンジンなどの工業用製品・部品といった,幅広い分野に利用できるという。同社は,この技術を応用したシール・ラベルを,2009年秋に製品化および発売する予定。

 フォージガードは,同社が独自に開発した高機能性材料に,2400dpi以上の解像度で任意のフルカラー画像や文字を潜像させ,専用フィルターをかざすことで浮き上がらせる偽造防止技術。同社の機能性材料技術や精密薄層塗布技術,画像設計技術を応用し,ナノ・レベルの光の波長を制御することで実現したという。従来の専用フィルターを用いた偽造防止技術は,単色または2色表示だったため,今回フルカラー表示が可能になったことで,偽造防止性を大幅に高めたとする。さらに,200℃下で5時間の耐熱性や,間接太陽光(500lux×12時間/日)に対する約20年の耐光性を持つ。

 富士フイルムによれば,ホログラムなどを使った偽造防止技術は,偽造防止技術自体が模倣され始めているという問題がある。また,見る角度によって色や画像が変化するといった,高度に複雑化した偽造防止技術では,偽造防止効果を目視で正しく判断することが難しい問題があるという。一方,専用フィルターをかざして画像や文字を出現させる偽造防止技術は,「どこに偽造防止技術が施されているわからないために偽造されにくい」という点で,近年注目を集めているとする。

 なお,富士フイルムはこの技術を,東京ビッグサイトで開催中の「SECURITY SHOW 2009」に出展している。