図1 東芝が発表した新型スマートフォン「TG01」。OSにはWindows Mobile 6.1を採用する
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図2 東芝 モバイルコミュニケーション社 統括技師長の湯嶋彰氏
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図3 3次元グラフィックスを利用したゲームでグラフィックス描画機能をアピールするデモを見せた。このデモは東芝ブースとQualcomm社ブースの両方で見せていた
図3 3次元グラフィックスを利用したゲームでグラフィックス描画機能をアピールするデモを見せた。このデモは東芝ブースとQualcomm社ブースの両方で見せていた
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図4 ナビゲーション・アプリケーションのデモ。WVGAの4.1型ディスプレイが表示できる情報量を生かせるとする
図4 ナビゲーション・アプリケーションのデモ。WVGAの4.1型ディスプレイが表示できる情報量を生かせるとする
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 東芝は,スペインのバルセロナで開催された「Mobile World Congress 2009」に合わせて新型スマートフォン「TG01」を発表し,展示会で初披露した。TG01は,4.1型でWVGA(800×480画素)のタッチ・パネル・ディスプレイを搭載しながら,厚さを9.9mmに抑えた端末である(図1)。2009年夏の発売を予定する。

 TG01は,大画面で薄型を実現しただけでなく,1GHz動作のマイクロプロセサを備える米Qualcomm Inc.の携帯電話機向けチップセット「Snapdragon」(Tech-On!の関連記事)の最初の搭載機であるという特徴も持つ。東芝の携帯電話機部門の技術を統括する同社 モバイルコミュニケーション社 統括技師長の湯嶋彰氏は,「TG01には,四つの目標があった。ポケットに入る究極の薄さを実現すること,視認性が高い大判のディスプレイを搭載すること,ユーザーに不満を与えないようにサクサク動くこと,そして使いやすいユーザー・インタフェースを実現することだ」と説明する(図2)。

 「TG01は新しい『モバイル・インターネット・デバイス』だと思っている。もはやインターネットなしの生活は考えられない。手のひらに載る機器からインターネットを利用するための最適な形を,いち早く提案したいと考えたのがTG01を開発したキッカケだ。1年半くらい前から開発に着手した」(湯嶋氏)という。「LTE(long term evolution)やHSPA+の導入が進んでモバイル・ブロードバンドが実現すれば,さらに端末を発展させられる。TG01は,その時代を見据えた足掛かりとなる」(同氏)。携帯電話事業者の要望ありきではなく,自分たちが最適だと考えたコンセプトありきでTG01の開発を進めたという。

「厚さ10mmを切ることにこだわった」

 4.1型という画面サイズは,「手のひらに収まること,ポケットに入ることを必須条件とする中で最大のものだった」(湯嶋氏)。さらに,ポケットに入る筐体の大きさを実現するために不可欠だったのが薄型化である。「携帯電話機はもはや,部品の組み合わせでそれなりのものができてしまう。それらの部品をどのように配置するか,堅牢性を犠牲にしないためにどのような工夫を施すか,といった部分に東芝らしさが出せると考えた」(同氏)という。4.1型というディスプレイの大きさで厚さ10mmを切ったらインパクトが大きいだろうと考えて,「10mm未満」という数字にこだわった。

 サクサク動くようにするために選んだのがSnapdragonである。「これまでの携帯電話機は,500MHz程度の動作周波数のアプリケーション・プロセサを使っていた。それが一気に2倍になるインパクトは大きい。さらにSnapdragonは3次元グラフィックス描画回路や,720p映像の符号化/復号化を行う回路を備える。これらを活用することで,低消費電力で高機能な端末を実現できると考えた」(湯嶋氏,図3図4)。

 東芝はTG01の今夏の発売に向けて,端末を供給する携帯電話事業者固有の機能の実装や,ソフトウエアのチューニングなどを進めていくという。






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