図1 共同ブランド「Garmin-ASUS」が提供する「nuvifone」シリーズの1機種「G60」
図1 共同ブランド「Garmin-ASUS」が提供する「nuvifone」シリーズの1機種「G60」
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図2 端末にあらかじめ登録してある地点情報のほかに,トップ画面でSearchボタンを押すとGoogle社などのWebサービスを使って店などの地点情報を検索できる
図2 端末にあらかじめ登録してある地点情報のほかに,トップ画面でSearchボタンを押すとGoogle社などのWebサービスを使って店などの地点情報を検索できる
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図3 検索結果に表示される「Go」ボタンを押すと道案内が始まる
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 米Garmin Ltd.と台湾ASUSTeK Computer, Inc.は,スペインのバルセロナで開催された「Mobile World Congress 2009」において,両社の共同ブランド「Garmin-ASUS」の最初の携帯電話機「nuvifone」を初披露した(Tech-On!の第1報記事)。「スマートフォンとPND(portable navigation device)を単に足した端末にはしたくなかった。スマートフォン市場には,競合企業が多く存在する。位置情報を中心とするコミュニケーション・サービスのトップ企業になることを目指している」(説明員)。

 nuvifoneの1機種である「G60」のトップ・メニューには,「Call」「Search」「View Map」という三つのアイコンがひときわ大きく表示される(図1)。このうちSearch機能では,Google社などのWebサービスを使って近くの店舗などの情報を検索し,そこで選んだ検索結果に「Call」「Go」「View Map」というボタンを表示させる(図2図3)。

 「今までのPNDのユーザーは,POI(point of interest)と呼ばれる登録済みの地点情報から目的地を探すか,パソコンや携帯電話機で調べた住所などの情報を入力して目的地を探すか,という手段しかなかった。でも,それでは情報が古かったり,作業が面倒だったりする」(説明員)。通信機能によってユーザーがWebサービスに書き込んだ最新情報を得られるようにし,それをPNDの地図機能や道案内機能に緊密に連携させることを目指したという。

 緯度や経度の情報(ジオタグ)を付加した写真の共有サービス「Panoramio」の閲覧ソフトもPND機能と連携する。ジオタクを付加した写真をPanoramioにアップロードできるほか,Panoramioに登録されている写真を撮影した場所の地図を見たり,その場所への道案内を開始したりできる。GPS機能で取得した現在地から近い場所などの写真をPanoramioで探して,ある写真を選ぶと,「View Map」や「Go」といったボタンが表示される。そこで「Go」ボタンを押せば,その写真を撮影した地点への道案内を開始する。

 また,位置情報に基づくユーザー間のコミュニケーション・サービス「Ciao!」では,他のユーザーに自分の居場所を伝えることができる。その地点情報を受け取ったユーザーが道案内機能を選ぶことによって,自分の居場所まで来てもらうといった使い方が可能である。「人と人とのコミュニケーションにおいて,位置情報は重要な役割を果たすはずだ。そうした新しい使い方を提案したいと考えて開発を進めてきた」(説明員)。

 なお,地図情報は,通常のPNDと同様にあらかじめ端末に格納している。「Garmin社のPNDと同じく米Navteq社の地図データを採用した」(説明員)という。