世界的な不況の波はPLD業界にも押し寄せている。前期まで成長基調だったPLDメーカー上位5社の合計売上高は2008年10月~12月期に前年同期比3.5%減と落ち込んだ。米Actel Corp.だけがわずかに前年実績を上回ったものの,ほかの4社で減収となっている。

PLDメーカー上位5社の売上高の推移(2006年Q4~2008年Q4 / Q1=1~3月,Q2=4~6月,Q3=7~9月,Q4=10~12月)
PLDメーカー上位5社の売上高の推移(2006年Q4~2008年Q4 / Q1=1~3月,Q2=4~6月,Q3=7~9月,Q4=10~12月) (画像のクリックで拡大)

 米Xilinx, Inc.の2008年10月~12月期決算は減収ながら増益となった。売上高は前年同期比3%減の4億5840万米ドル,営業利益は同4%増の1億1960万米ドル。営業利益率26.1%は直近の3年間で最高という。FPGA「Virtex-5」シリーズの売り上げ比率が前期の10%から15%に拡大。Virtex-5を含む新製品群の売上高は前年同期比で34%,前期比で2%増加した。地域別には,北米での売り上げが前年同期比20%減と大きく落ち込んだ。同社は2009年1月~3月期の業績に関して,売上高が前期比15~25%減,粗利益率が61~63%になると予測した。予測通りになれば,前年同期比では売上高が18~28%減,粗利益は19~30%減になる。

 米Altera Corp.も減収増益だった。売上高は前年同期比3%減の3億1450万米ドル,非GAAPベースの営業利益は同32%増の8620万米ドルである。FPGA「Stratix II/III/IX」や「Cyclone II/III」などの新製品群の売り上げが前年同期比で28%伸長した。地域別にみると,日本の売上高が前年同期比10%減,北米が同6%減と落ち込んだ。2009年1月~3月期の業績は,売上高が前期比15~25%減,粗利益率が66.5~67.5%になると予測する。この予測通りなら,前年同期比では売上高が20~30%減,粗利益が18~28%減になる。

3位浮上のActel,リストラ費用で赤字

 Actel社は増収ながら赤字になった。売上高は前年同期比2%増の5280万米ドルで,減収続きの米Lattice Semiconductor Corp.を抜いて業界3位に浮上した。ただし,前期に引き続き赤字を計上,営業損失は210万米ドルとなった。同社は2008年10月,採算悪化を受けて従業員の10%を削減する計画を発表。2008年10月~12月期決算では,これに関する費用240万米ドルを計上した。Actel社も上位2社と同様に,2009年1月~3月期は前期比で10~15%程度の減収になると予測している。前年同期比では売上高が13~18%減,粗利益が11~17%減になる見込み。

■2008年第4四半期(10月~12月)決算の概況

社名
(E=News Release/日=同和訳)
売上高1株当たり純損益
(米ドル)
(米ドル) 対前年同期比 GAAP
(相当含む)
Pro Forma
米Xilinx, Inc.
E
4億5840万 -3% 0.51 ---
米Altera Corp.
E
3億1450万 -3% 0.28 ---
米Actel Corp.
E
5280万 +2% -0.48 0.13
米Lattice Semiconductor Corp.
E
5000万 -6% -0.12 -0.03
米QuickLogic Corp.
E
590万 -45% -0.09 -0.04