中国China Unicom社(中国聯通)は,中国政府 情報産業部から「1900M~1920MHzの周波数帯で提供している無線アクセス・サービスからの立ち退きを2011年末までに完了させること」とする通達を受けたと発表した。同周波数帯は中国では,PHSサービスに用いられている。

 この発表などを受けて,中国の主要メディアは中国でのPHSサービスが2011年までに終了する,と一斉に報じた。「再見(さよなら),小霊通(PHS)」という見出しを大きく掲げた媒体もある。理由として,中国政府がTD-SCDMA方式の3Gサービス向け周波数帯の拡充を進めており,追加予定である1880M~1900MHzの周波数帯にPHSサービスが電波干渉などの悪影響を与える恐れがあることなどを挙げる。

 China Unicom社は,この立ち退き要求に対して,「この周波数帯を利用するPHSユーザーの移転策などを検討していく」としている。

 中国のPHSサービスは,携帯電話サービスに比べて低コストであることなどから2006年後半にユーザー数が約1億人に達するなど日本をはるかに上回る人気を博していた。しかし,2007年以降はユーザー数が減少に転じ,2008年末には約6900万人と,7000万人を割り込むまでになっている。