東芝は2009年1月29日,2008年度第3四半期の決算を発表した。売上高は2008年4~12月の9カ月累計で対前年同期比10%減の4兆9841億円,営業損益は1823億円の赤字となった。2008年度通期(2008年4月~2009年3月期)では売上高が同13%減の6兆7000億円,営業損益は過去最悪となる2800億円の赤字に陥る見通し。2008年10~12月期の落ち込みが顕著であり,中でも半導体事業が足を引っ張った。

 半導体の営業損益は,2008年4~12月期に1769億円の赤字となり,2008年度通期では2900億円の赤字を見込む。NANDフラッシュ・メモリの価格下落や,システムLSIおよびディスクリートの需要減退による減収が響いた。こうした状況を受け,同社はシステムLSI事業とディスクリート事業の分社化を検討することを明らかにしている(関連記事)。

 液晶も,2008年4~12月期は162億円の営業赤字となった。この結果,半導体や液晶を含む電子デバイス部門の営業損益は2008年4~12月期に1978億円の赤字に陥った。2008年度通期では電子デバイス部門で3400億円の営業赤字を見込む。

 一方,デジタルプロダクツ部門は,2008年4~12月期の営業利益が対前年同期比で52億円減少し,14億円の黒字となった。景気後退の影響を受け,テレビ,パソコン,携帯電話機など,すべての製品分野で減収になったとする。第4四半期も厳しい状況が続くことから,2008年度通期では200億円の営業赤字に陥る見通しである。

 社会インフラ部門は電力・産業システムが好調で,医用システムも高水準だったことから,2008年4~12月期の営業利益は対前年同期比で8億円増え,353億円の黒字となった。2008年度通期では1200億円の黒字を見込む。