Intelがテレビ用電波から60μWの電力を回収,「センサを電池不要にできる」
米Intel Corp.は,環境にある電波から電力を回収するシステムを開発した。2009年1月に米サンジエゴ市で開かれた無線技術に関する学会「IEEE Radio and Wireless Symposium」で論文を発表したもの。
このシステムを開発したのは,Intel社で「ワイヤレス電源」を研究しているAlanson Sample氏ら(関連記事)。2008年8月のIDF 2008 Fallでは「共鳴誘導」という現象を利用して60Wの電球を数十cm離れて点灯してみせたが,今回は,テレビ塔などが発射する電波を数km離れて受信し,どこまで電力を回収できるかを調べた。
具体的には,シアトルでのテレビ放送に対応した対数周期アンテナ(利得5dBi)に,4段のチャージ・ポンプから成る「電力回収回路」を接続したものを開発した。受信帯域幅は30MHzである。アンテナの寸法は明らかにしていないが,論文にある写真からは長さ30cm前後,幅と高さはそれぞれ20cm前後あるように見える。電力回収回路の基板の寸法は数cm角で,アンテナよりずっと小さい。
実際にこのシステムを用いて米国シアトル市のテレビ用電波塔から送信される電波を4.1km離れた地点で受信したところ,60μWの電力を回収できることを確認したという。電力回収回路の負荷抵抗値は8kΩ,電圧は0.7Vである。
テレビ塔の出力に自由空間での電波の伝播をモデル化した「Friisの伝送公式」を単純に当てはめると,220μWの電力が得られる計算で,同論文では「試作したシステムは理論的に期待できる最大値に十分近い出力を得られた」としている。
Intel社らは,このシステムとは別に米Texas Instruments Inc.の低電力マイコン「MSP430」を用いた915MHz帯RFIDの無線タグを試作し,それが2μW〜2mWの電力で動作することを確認した(関連記事)。これにより,「60μWは,無線タグを駆動するのに十分な電力」(同論文)という。













