経済産業省の別館ロビーにある植物工場のモデル施設。ハウス内の多段式栽培装置では下段で葉野菜,上段でイチゴをそれぞれ栽培している。
経済産業省の別館ロビーにある植物工場のモデル施設。ハウス内の多段式栽培装置では下段で葉野菜,上段でイチゴをそれぞれ栽培している。
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下段の葉野菜にはLED照明を使っている。
下段の葉野菜にはLED照明を使っている。
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制御システムの画面
制御システムの画面
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 経済産業省は,光量や温湿度などの環境条件を人工的に制御して植物を効率的に生産する「植物工場」のモデル施設を同省の別館ロビーに設置し,2009年1月22日から一般公開を始めた(ニュース・リリース)。経済産業省では地域活性化戦略の一つとして植物工場に期待しており,普及・拡大策の一環として今回のモデル施設を設置した。同省を訪れれば自由に見学できる。

 経済産業省は2008年9月に改定した「新経済成長戦略」において,農業の高度化を産業技術面から支援する「農商工連携」を推進する方針を打ち出している。その中でも特に重視しているのが植物工場であり,2008年12月には農林水産省と共同で植物工場の普及・拡大に向けた専門家による検討組織「農商工連携研究会植物工場ワーキンググループ」を設置し,2009年1月16日から議論を開始した。

 同ワーキンググループは大学関係者や植物工場を運営する企業,食品流通業者などで構成し,植物工場のコスト削減,栽培方法の確立,人材育成などについて議論する。植物工場の初期コストを軽減するための補助金制度や税制優遇措置についても検討する。2009年1月30日に第2回会合を開く予定で,2009年4~5月に報告書をまとめたいとする。