富士通マイクロエレクトロニクスは,USB3.0の物理層回路を実装したLSIを試作,会場ブースに出展した。試作品を公開するのは同社として初めて。「USB3.0の仕様が決まったのが2008年11月中旬。CESまでの短時間で作製するのに苦労した」(説明員)と語る。物理層LSIには65nm世代の製造技術を用いたという。
会場では,USB3.0の物理層LSIを使い,外部記憶装置といった周辺機器に相当する「デバイス」での利用を想定した実演を披露した(Tech-On!関連記事)。実演で用いた基板には,物理層LSIとともに,USB3.0のリンク層やプロトコル層などを実装したFPGAや,SATAの物理層LSIの3チップが搭載されている(図1)。信号発生器からのデータ信号をUSB 3.0によって試作基板に伝送していた(図2)。
製品化に関しては,3チップを一つにし,USB3.0-SATAのブリッジLSIにする予定である。2009年夏ごろのサンプル出荷を目標に掲げる。ホスト側ではなく,「デバイス側に向けたUSB 3.0対応LSIの開発に注力する」(説明員)考えだ。「できれば2009年のクリスマス・シーズンに発売される機器に我々のチップを載せたい」(同)という。