韓国の半導体材料市場の規模の推移
韓国の半導体材料市場の規模の推移
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 SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)は,「韓国は,世界経済が回復し始めたときに,半導体の生産能力の拡大に向けて投資する最初の地域になる」との予測を発表した(発表資料)。過去5年間に渡り,大幅な成長を遂げてきた韓国の半導体装置市場も,世界経済の後退に伴って,現在は設備投資を一時的に減速させている。ただし,これまでの投資によって,韓国の半導体材料市場は,現在の経済悪化に持ちこたえられるほど成長しているとSEMIは分析する。

 SEMIが予測する2008年における韓国の半導体装置市場の規模は,53億米ドル。前年の73億5000万米ドルから28%減少する見通しだ。2008年の半導体装置の世界市場規模は,対前年比28%減の310億米ドルとなる見込みで,韓国市場もこれに合わせて縮小するという。

 一方,2008年の韓国の半導体材料市場は,対前年比1%増の61億2000万米ドルの見込み。大幅に成長した過去4年に引き続いて,2008年もプラス成長を維持する見通しである。SEMIは,2010年の韓国の半導体材料市場の規模が65億米ドルに成長すると予測する。世界の半導体材料市場については,2008年に前年比6%増の451億米ドルに達し,2009年には前年比でわずかに減少,2010年には緩やかに増加するとみる。

 韓国の半導体市場の回復が早いとSEMIが予測する一因には,韓国が過去数年間に渡って,消費者向け携帯型機器の開発に注力してきたことがあるという。現在,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.や韓国LG Electronics, Inc.は,携帯型メディア・プレーヤーや携帯電話機といった携帯機器市場の進出に成功している。Samsung Electronics社は過去数年間,大容量メモリ・デバイスの生産工場にも多額の投資を行ってきた。メモリ製品の供給過剰は,急激な価格下落を招き,その結果,半導体メーカーは半導体装置の購入や工場建設を遅らせた。

 しかし,現在の景気低迷を切り抜けた後,韓国の半導体メーカーは,半導体装置と材料に関する投資額を拡大させるとSEMIは予測する。Samsung Electronics社やLG Electronics社のような企業は,エレクトロニクス製品を生産し続けなければならないためだという。